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生協の白石さん

   

「ここまで話題になるとは」――大学生協「単位パン」人気に「生協の白石さん」もびっくり 実際に食べてみた

 

「ここまで話題になるとは」――大学生協「単位パン」人気に「生協の白石さん」もびっくり 実際に食べてみた

 

 「ここまで話題にしていただけるとは、想定していませんでした」――ベストセラー書籍「生協の白石さん」(講談社、2005年)で知られる、法政大生協小金井店(東京都小金井市)店長の白石昌則さんは、「単位パン」の反響に驚きを隠さない。

 単位パンは、大学卒業に必要な「単位」の焼き印が大きく押された円形の平らなクリームパンで、首都圏を中心とした大学生協の売店で1月13日~23日の2週間、限定販売している。「単位を売ってほしい」という、大学の期末ならではの要望に生協が全力で応えた商品で、ネットなどで話題を集めて人気商品となり、連日売り切れが続いている。

 同店を取材した1月21日も、記者が滞在した数十分ほどの間に何人もの学生が買っていき、人気の高さがうかがえる。「単位ヤバいんです。今から試験なんで、単位パンに賭けて頑張ります。これで単位、完璧ですよ!」――単位パンを購入した1年生の女子学生はこう話し、試験に向かっていった。

 単位パンの企画は大学生協の商品会議で行われ、白石さんも参加していた。「商品化にあたり、当初の想定は袋に『単位』と印刷した、表面が無地のパンでした。しかし、メーカーさんが気合を入れ、焼印用のこてを作成し、7秒に1個のペースで丁寧に粛々と、手押ししてくれることになったのです」などと、同大生協の公式Twitterで企画時のこぼれ話を明かしている。

 同店での発売する際、「変わり種商品なので、売るからにはちゃんとプッシュしよう」と特設売り場で大きく展開。初日は100個が約3時間で完売したという。その後もTwitterやテレビで話題になり、同店だけでなくほかの生協店舗でも売り切れ続き。工場で増産しているが、人気に追いつかない状態だ。

 同店の単位パン特設売り場には、湯島天神の学業成就のお札がうやうやしく飾られている。「せっかくなので縁起の良い商品にしたい」との思いで、発売前に単位パンの焼き印を携え、学問の神様・湯島天神(東京都文京区)にお参りに行ったという。

●いざ実食! 結構おいしい

 記者も同店で「単位パン」を購入し、実際に食べてみた。108円(税込)と「人間の煩悩の数と同じ」(法政大生協のPOPより)お手ごろな価格。「パンがぱさぱさしている」という前評判を聞いていたため、正直なところ味にはあまり期待していなかったのだが、これがなかなかおいしかった。

 袋を空けた瞬間ただようパンのいい香りに食欲をそそられ、口に入れると、水分の少ないパンと、とろっとしたクリームがマッチする。クリームはバニラの香りで甘すぎず、しっかりとした生地は手で持って食べやすく、試験勉強のお供に良さそうだ。クリームは均等に入っており、頭からしっぽまでしっかりあんこが詰まった鯛焼きを食べたときのような満足感が得られた。

●「単位売って」――白石さんの「ひとことカード」健在

 白石さんは、東京農工大学生協職員だった2005年当時、学生などが生協への要望を書き入れるアンケート用紙「ひとことカード」に寄せられた質問にウィットに富んだ返答を返し、それがブログにまとめられてネットユーザーの間で話題に。白石さんの返答をまとめた書籍「生協の白石さん」は93万部を発行するベストセラーとなった。

 法政大生協小金井店の店長には2013年7月に就任。多忙な店長職をこなしながら、時々「ひとことカード」に回答している。「入荷リクエストの回答などは、スタッフのほうが詳しいので任せていますが、たまに来るそれ以外のカードは私に回ってくれば回答しています。農工大のころとは違いますね。当時は注目されている前提で書いていましたが、今はそういう感じではなく、私のことを知らない人も多いので。それぐらいがちょうどいいですね」

 同店の「ひとことカード」コーナーには、「単位売ってください」という質問も張り出されていた。昨年7月のもので、白石さんはこう答えている。

 「ご要望ありがとうございます。仮にリクエスト通り、当店が単位を販売したら、

・ドントラフさま(質問者)……退学
・生協……大学から追われる

このようによこしまな売買がそのまま、お別れの売買となってしまいます。そんなのは嫌だ。お互いもうしばらく、大学に居続けましょう」

 ――後に「単位パン」が開発され、大学に追い出されずに生協で単位が販売できるようになるとは、当時の白石さんはまだ、想像していなかったようだ。

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