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ランクル70

   

「これが本物の四駆だ!」トヨタ「ランクル70」10年ぶりの復活にかけた思い

 

「これが本物の四駆だ!」トヨタ「ランクル70」10年ぶりの復活にかけた思い

 

 トヨタ自動車が2004年に国内販売を終了したスポーツ用多目的車(SUV)「ランドクルーザー」の70シリーズ(通称ランクル70)を10年ぶりに再発売した。1984年の発売開始から今年で30年の節目になるのを記念し、再発売を求めるファンの声に応えて復活を決めた。期間限定の販売で、来年6月末まで生産する。

 ランクル70はディーゼルエンジンに対する排ガス規制の強化などを受けて国内販売を終了したが、武骨なデザインと荒れた路面をものともしない高い走行性能により、いまでも根強い人気がある。

 再発売したランクル70はガソリンエンジン車で、価格はバンタイプが360万円から、ピックアップトラックタイプが350万円から。月間販売は200台を予定している。

 開発責任者の小鑓貞嘉チーフエンジニアから、復活にかけた狙いや思いを聞いた。

 --なぜいまランクル70を復活させたのか?

 「まず第一に、復活を望むたくさんのファンの声にお応えしたかった。全国各地で開催されているファンミーティングで、熱狂的なファンのみなさんから声をいただいた。強い要望がランクル70の復活に大きな勇気を与えてくれた。また、今年は70のデビュー30周年。2004年に日本では販売終了したが、海外ではいまなお高い走行性能が評価されており、継続して販売されている。そんなタフな性能に裏付けられた70のよさをもう一度、日本で実感いただきたい。最先端のクルマとはまた違う魅力を味わってもらえるはずだ」

 --ランクル70の魅力とは何か?

 「ランクルは丈夫で壊れない信頼性、耐久性、修理しやすさで支持を受け、なかでも道なき道を走り抜ける走破性では群を抜いている。世界中の災害紛争地域の支援活動でも働き、悪路をものともせずに職員や物資を満載してくるランクルの姿は希望の象徴となっている。なかでも70は世界で鍛えられた、世界をリードする本物の四駆。世界で最も頼りになる車だ。命を預けなければいけない局面に置かれたら、私は70に乗りたい。着飾らない魅力をダイレクトに感じられる、もっともランクルらしい車が70だ」

 --なぜ70が最もランクルらしいのか?

 「(警察予備隊、後の自衛隊への納入を狙い開発した)トヨタジープBJ型の直系として、本来の四駆の機能をフルに持った車だからだ。デザインではなく、四駆としての機能で売っているという面で、本来のランクルといえる。時代ごとにワゴン系やプラド系などさまざまな派生ができたが、70は純粋な直系の車だ」

 --いまの日本で改めて訴えたいのは

 「着飾った車、装備をいろいろ付けて『車ってやっぱり華やかだよ』という点も販売面では非常に大事だが、本来の車とは、本来の四駆とはこういうものですよ、と。いまは車がさまざまな場面で運転を制御してくれる。でも、そういうもので押さえつけるのではなくて、自分で車を操る楽しさがある。車メーカーとして、そういうものをもう一度提供したい」

 --70復活はいつごろから企画として立ち上がったのか

 「ファンクラブの方々と話をするなかで、4、5年前から頭にあった。ただ、もちろんいろいろとハードルはあった。『本当に出していいのか』『本当に皆さんに受け入れてもらえるのか』と悩んだ。国内のこんなにきれいな路面を走らせるのに、70の価値が本当にあるのかという疑問があった。だが、どんな場所でも車の魅力はお客さんが体感できるはずだと考えた」

 --小鑓さん自身のランクル70に対する思いは

 「私が入社したのは1985年。この車の発売は84年だ。ちょうど入社したときにこういう車が世に出て、『ああ素晴らしい車だな』と思いながら、会社人生の3分の2はランクルに関係した仕事をしてきた。でも、10年前に一度“切る”ことになった。環境問題などの背景があったとはいえ、メーカー側としてもずっと売ってきたなかで大変心苦しい決断だった。僕のいる間に戻したいという思いが、ずっとあった。国内で永遠に売っていくことはできないが、限定車という形でも復活させることができてよかった」

 小鑓貞嘉(こやり・さだよし)1985年トヨタ自動車入社。シャシー設計部でハイラックス、ランドクルーザープラドのサスペンションを担当。96年に製品企画部門に異動し、ダイナのフルモデルチェンジに携わり、2001年からランドクルーザー、タンドラのプラットフォーム開発に従事。07年からランドクルーザーのチーフエンジニアとして開発を指揮。大学時代に自動車部で始めた国内ラリー競技の魅力にはまり、トヨタ自動車に入社後も含め17年間参戦。京都市出身。

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